マヨネーズ
モノレールに乗った。
すごい高いところを走っていた。
今までに見たことがないような風景が広がっていた。
いろんな色がいっぱいだった。
野菜がたくさんのサラダみたいだ。
僕はカバンからマヨネーズを取り出し、窓からかけた。
牛の乳を搾るように、ぎゅぅぅーっと。

ふと顔を上げると遠くに台風が見えたので
モノレールから飛び降りた。
すると台風から逃げる鳥の群れに落ちた。
どういうわけだか、鳥の群れがちょうどいいクッションになった。
台風から逃げる鳥の群れ行くまま、僕はどこかに向かっている。

牧場が見えた。
たくさんの牛たちがいる。
よく見ると半分くらいの牛たちが動かずに倒れている。
そうか、クローン牧場か。
周りにいるのは自分ばっかり、気も狂うだろう。
「狂った牛が、またおいしいんですよ。」
気付くと牛たちは殺しあっていた。
その周りで貴族たちが食の話に華を咲かせている。

貴族たちは世界のごちそうを貪りながら
葉巻をくゆらせ、言う。
「もはやすべての食にも飽きた。
だれか、いいアイディアはないか?」
すると、誰かが言った。
「こういうのは、どうでしょう?」

一頭の牛が生き残った。
周りには彼の為に死んだ同じ顔が並んでいた。
死んだ牛の新鮮な生肉を喰らう貴族たち。
生き残った牛の、目。

僕はめいっぱいマヨネーズをかけた。
サラダにはマヨネーズ。
そのまま食べられるほどグルメじゃない。
もっとマヨネーズをかけなきゃ食べられない。

鳥たちの速度では台風から逃げ切れなかった。
僕は放り出され落ちていく。
ビルの谷間を落ちていく。
どこまでも続く、ビルの谷間。
どこまでも、どこまでも続く、ビルの谷間に。
マヨネーズ、マヨネーズ。
マヨネーズ、マヨネーズ。


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Last update : 2002/5/3 update by Hiee