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うなぎ
それは僕の実家に似た景色から始まった。 僕たち(僕、成チンと僕のいとこと3人)は、実家の軽トラックに 乗り出発した。その目的は何だったのかよく分からない。軽トラックにはなぜか、 うしろの座席があり、隣に成チン後ろにいとこが乗った。 出発するとすぐにトンネルのようなものをくぐり、そのトンネルは奥に進むに つれて小さくなってゆくのが分かった。そして僕たちもトラックごと小さくなり、 ある時点からローラーコースターの様に急降下し、勢いのついたまま水平にもどった。 その惰性の頃にはそこは江戸時代のような景色であった。その江戸時代のような 景色の中には、さらにその時点から過去という、時代の記憶のようなものが貼り付いていた。 気付くといとこの存在感は薄れ、成チンは別のひとの臭いがしていた。 小川に沿った小道、向こうから年寄りたちがやってきた。(僕たちは歩いていた。) その老人たちは、自分たちの生まれ育った村の川が、時代の流れとともに汚染され、 以前のように、川にうなぎやほかの生き物がいなくなってきている事に怒っていた。 そしてその怒りの矛先は、理不尽ではあるが僕たちだった。 すべておまえ達のせいだと言う空気が僕たちを包んだ。 そのとき、さっきまで成チンだった人が何かを言った。それは決定的な何かだった。 それまでの僕たちを包んでいた理不尽な空気の鼻を明かすような、決定的でもっともな 見解を静かに老人たちに言った。 みごとな形勢逆転だった。 僕は老人たちを川に突き落とした。罪悪感はあったが突き落とした。それがそのとき 僕のとるべき行動であるように思えた。 ためらいながらも突き落としてしまった一人のひ弱な老人は、浅い小川ではあったが 起き上がれずに溺れかけた。僕は少し慌てて水の中に飛び込み老人を救おうとした。 その瞬間、老人はうなぎだった。 うなぎは水の中でその長い胴を自由自在にクネらせ僕のほうに近づいてきた。 そして焦る間もなく、そのぬめっとした胴の先の長く切れた口でパクっと右腕をかまれた! うぉ〜〜〜っっっ!!!!! 目を覚ますと左にはみずき、右にはひいちゃんが寝息を立てていた。 |
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