共同生活の朝
朝はもっとも「共同生活をしている」と実感する時間である。
生活サイクルがバラバラであるがゆえに、起きる時間もまたバラバラ。
もっとも大体の者は朝に起きるのだが、この「朝」という定義がまたバラバラ。
7:00だったり、8:00だったり、はたまた11:00だったりとする。
まだ、あと一時間寝れるのに、他の住人の目覚ましで起きてしまうこともしばしば。
皆、朝が苦手らしく複数の目覚まし時計をセットしているため、起きる時間が近いと
あらゆる種類の目覚まし時計が、あらゆる種類のリズムで、あらゆる種類の音を奏でる。
その様相はまるで、ディズニーランドのパレードさながらの賑やかさである。
結構そんな中でも当の本人は涼しい顔で寝ていたりする。
共同生活をしていない人にとってみて、この光景は地獄絵図に見えるかもしれないが、
私自身、このパレードには慣れてしまった。
人間の適応能力とは素晴らしいものだとしみじみ思う。
この騒がしいパレードの主力となる2つの目覚ましを紹介しよう。
一つめはいたっち所有の「機関車トーマス時計」だ。
こいつはかなりの曲者だ。
やつは時間になると、正体不明の音楽を奏でながら、
「おはよう!僕トーマス、さあ早く起きようよ、早くしないと置いてっちゃうよ!」
という恩着せがましいセリフを連呼する。
こんなパフォーマンスを朝一番でやられるとかなり精神的にやられる。
そんなトーマスの弱点は、顔の上についている煙突だ。
こいつを叩くとこの迷惑なパフォーマンスを停止させることが可能だ。
が、しかし、煙突を叩いてからって油断してはならない。
やつは最後の捨て台詞を吐いてから停止する。
「さあ、出発進行!!」
二つめは、ひい所有の「ゾンビ時計」だ。
この名前は私がかってに呼んでいるだけで、見た目ごく普通の時計だ。
しかしその見た目に騙されてはいけない。
何しろこの時計の目覚ましサウンドは、通常のオペレーションで停止させることは不可能なのだ。
やつは、止めても止めても数分後には復活し、目覚ましサウンドを奏でてくる。
近年、有効な止め方が発見されたが、それまでは「現在時刻を狂わす」という方法以外に止める術がなかったのである。
今だから言おう! ひいの時計がよく狂っていたのは、私の必死の抵抗の痕跡なのだ。
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