ひい

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500円玉

いつの頃からか、硬貨の中で一番のランクを築くこととなった500円玉。本 当にお金がないとき、小銭入れの中のこいつは頼もしく見える。
今までいったい何人の人たちの手を渡り歩いてきたのだろう。 人から人へ、手 から手へ渡る中でも様々な物語があっただろう。
銀行あるいは郵便局から人々の日常へ。出始めは珍しさにちやほやされたりも した。ある時は八百屋へ、コーヒー店へ、誰かの給料袋へ、自動販売機へ、宝く じ売り場へ、 電車に乗って東へ西へ。ポケットにそのまま突っ込まれることもあ れば、誰かの小銭入れにも。 吉田くんの貯金箱にいたこともあれば、お年玉袋に 入っていたこともある。 どのかのマダムの財布の中にだって。

しかしそんな風にしてしばらくの硬貨界ナンバー1を誇っていたが、昨今そう はいかなくなった。
外国の硬貨を利用した犯罪のせいで、新しい500円玉が流 通し始めているのである。
いくらナンバー1でも、同族には勝てない。まだ手元には新旧両方の硬貨が入り 混じっているが、そのうち、新型しか残らなくなってしまうのかも知れない。
そうしたら、今まで使われていた古い500円玉はどこへ行ってしまうんだろう?

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