なりた

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深夜の寂れた駅にて

うかつにも窓を開けたまま寝てしまう。おかげで寝ている間ずーっと寒かった。そのせいか変な夢を見た。

夜だった。僕はすこし寂れた駅のプラットフォームで電車を待っていた。僕はこの駅のことを知っていた。そう以前にも夢に出てきた駅だ。その寂れ具合いからして明らかに東京都内の駅ではないだろう。僕はなぜかこの駅が東北地方の駅だと考えていた。プラットフォームには僕と同じように電車を待っている人がまばらにおり、僕もその中の一員だった。夜の外気はスーツ姿の僕を容赦なく凍えさせる。
「なんでコートを来てこなかったのだろう?」
そんなことを疑問に思いながら、喫煙所に向かいタバコをふかした。電車が来ないことと、この寒さが僕を苛立たせていた。しばらく煙草吸っているとレールの向こう側の闇の中から「プァーン」という音と共にぼぅっとした電車の明りが見えてきた。僕はタバコを消してプラットフォームの最前線まで足を運んだが電車は止らずに通り過ぎていった。そして電車が運んできた夜風がいっそう僕を凍えさせた。
「なんてことだ! だからこの駅は嫌いなんだ。普通しか止らないし、電車の本数が少すぎる!」
僕はいっそう苛立った。回りの人たちは辛抱強く電車を待っている。そんな時、僕の携帯電話が鳴った。
「もしもし」
電話の主は高校時代からの友人である「かずのり」であった。彼はいつものように大きな声でこう喋った。
「なりた、知恵蔵もってる?」
一瞬何のことかわからずに戸惑ったが、知恵蔵というは朝日新聞社が出版している現代用語辞典のことだということを思い出した。
「いや、もってないよ。何に使うんだ?」
「あ、そうわかった。ちょっとね。」
そういって電話は切れた。
そして電車はまだ来ない。。。

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