縦スクロールの幽体離脱
この日は猛烈に疲れていた。
もう限界だ。今日は寝よう。布団に入り電気を消す。
アパートの前に道路から車の走る音だけが聞えてくる。僕はその音を聞きながら夢現つ。。。
そんな時、僕の体が少し浮いた。
いや少しだと思ったらとんでもない。布団を掛けたままの状態でどんどん上昇していく。
目を開けると天井が近づいてきているのが見える。
「も、もしやこれが噂に聞く幽体離脱とゆーヤツか!」
「しかしなぜ布団が掛ったままで・・・?」
とにかく僕は興奮した。このまま天井にぶつかったらどうなるのか!?
やっぱ、幽体っつーぐらいだからすり抜けるか!
すり抜けたら、そこはやっぱ僕の部屋の上に住んでいる住人の部屋?
予想は的中し、僕は天井をすり抜けてさらに上昇していった。
そして僕はすり抜けた先の部屋を見回す。
見たことがある部屋だ。見慣れた机、そしてその上にあるノートPC。
そう、そこは僕の部屋だった。僕は上昇し、天井をすり抜け、なぜか僕の部屋の床から出てきたのだ。
「初代マリオブラザーズの横スクロールばりじゃねーか!」
思わずツッコミを入る。
あー、完全に興ざめだ。夢じゃんコレ。急激に興奮が覚めていった。
すると、僕は体は今度はゆっくりと下降していったのだ。床をすり抜けてまた元の部屋に戻っていった。
「あー、また俺ヘテンコな夢見てるよ。しかも今この瞬間に」
そう思っているとまた体が上昇していく。そして同じように天井に近づいてくる。
「またかよ!」
しかし今度は天井をすり抜けることができずに僕は天井におもいっきり押し付けられた。
「いててて、鼻が潰れる、潰れる」
どうやら僕の大脳は無意識レベルでも自動的にオチをつけてくれるらしい。
「そんなオチはいらないから!」
ここでふと疑問に思った。夢なのになぜ痛いのだ!?
そう疑問に思っていると突然、僕の背後、つまり下の方からなにかの気配を感じた。
なにか物凄くヤバイ気配だ。僕の背筋が警報を鳴らした。
「なにかがいる、そして今猛烈にヤバイ状態だ。」
頭しか動かないこの状態では僕は自分の背後を確認することができない。
次の瞬間、僕は自分の尻に激痛が走った。
「痛ってーーーーーーー!」
僕は叫び声をあげた。
何かが僕の尻に噛みついたのだ。
その「何か」は複数いるらしく、次々と僕の尻に噛みついた。
僕は必死になって両手で尻を守ったが、「何か」は僕の手にまで噛みついてくる。
僕の拳に何度も「何か」のキバが突き刺さりそれは拳の骨までを削っていき、その度に僕は耐えがたい痛みを拳に感じた。
ようやく夢が覚めた。
痛みがまだ拳に残っている気がして、僕は自分の両手を確認したが当然どこも傷付いてない。
「ふー、ひどい夢だった。」
僕は起き上がりリビングルームに水を飲みにいった。
リビングルームではルームメイトがワールドカップ ドイツVSアメリカを見入っている。
「俺なんか叫んでた?」
「いや何も聞えなかったよ。」
「あ、そう。」