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コーエン兄弟とは、ジョエル・コーエンとイーサン・コーエンの二人兄弟。
彼らの映画は、作品ごとに、作風もジャンルも、時代設定や場所、ムードさえも違います。
しかし、どれも必ず面白いんです。共通するのは、人間讃歌。
人間って不思議で変な生き物だなあ、でも生きるって面白いなあと感じずにはいられません。
それが、コエーン兄弟の映画の大きな魅力だと思います。
登場人物達は、どこか抜けているが、非常に魅力的です。 スティーブ・ブシェーミを筆頭に、ジョン・グッドマン、ジョン・タートゥーロ、 ピーター・ストーメア、ジョン・ポリトなどなどの常連俳優が揃っていて、 彼らは作品ごとに強烈な個性を持った役柄で登場し、楽しませてくれます。 俳優達を見ているだけでも楽しいです。 製作:イーサン・コーエン、監督:ジョエル・コーエンとほとんどがクレジットされているけど、 脚本は二人で執筆し、明確な役割分担はしていないらしい。 |
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監督作
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■製作:イーサン・コーエン ■監督:ジョエル・コーエン ■脚本:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン ■出演:フランシス・マクドーマンド、ジョン・ゲッツほか ■時間:100分 ■製作年:1984年 |
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アメリカ南部の田舎町を舞台に、妻の浮気が招いた殺人事件を描くフィルム・ノワール風のサスペンス。
無名の俳優を起用し150万ドルという低予算で作られた。
その資金も、製作前に2分間の予告編を作り、個人投資家をまわって出資を募ったものである。
インディーズ独自の共同配給網の存在を知ったのが自主製作を決意したきっかけであるという。
題名の「ブラッドシンプル」はダシール・ハメットの小説からの引用である。 人間の不条理な衝動、貧欲さや嫉妬をモチーフとしたブラック・ユーモア。 光と影を巧妙に配置したCMを思わせるスタイリッシュな構図、意表を突くカメラワーク、充満する効果音。 そうした効果が隅々まで緻密に計算された才気あふれるデビュー作。 嘘が真実となる恐怖。 観ている人は、何が起こっているか分かっているのに登場人物はそれに気付いていないという物語です。 暗闇の部屋の壁に銃弾が撃ち込まれ、そこから光が差し込んでくるというシーンが非常に印象的です。 |
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■製作:イーサン・コーエン ■監督:ジョエル・コーエン ■脚本:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン ■出演:ニコラス・ケイジ、ホリー・ハンター、ジョン・グッドマンほか ■時間:96分 ■製作年:1987年 |
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子宝に恵まれないある夫婦が可愛い赤ちゃんを奪ったことから連鎖反応的に起こる事件をスリルと爆笑で描く抱腹絶倒のコメディ。
元服役囚と女警官という夫婦、夢の中から現実へと飛び込んでくるオートバイに乗った殺し屋、大食漢で怠惰な大男の脱獄囚二人組などなど、 どこか抜けていて、また愛すべきキャラクターでもある人物達が織り成すヒューマン・コメディです。 コメディだけど(これは、すべての作品に共通することかもしれないけど)、シュールな側面も持っています。 |
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■製作:イーサン・コーエン ■監督:ジョエル・コーエン ■脚本:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン ■出演:ガブリエル・バーン、ジョン・タートゥーロほか ■時間:115分 ■製作年:1990年 |
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1920年代のアメリカ東部のある都市における、アイルランド系とイタリア系ギャングの抗争を描いたフィルム・ノワール。
非常にクラシカルなタッチのギャング映画だが、裏切り、陰謀、欲望、愛欲の渦巻く人間ドラマの深さが、
これまでのギャング映画を超えてスタイリッシュに描かれた緻密な脚本は高い評価を受けた。
題名は映画に登場する十字路のことだが「裏切り」の意味とかけている。 この「ミラーの十字路」は人生のターニングポイントとして象徴的に登場する。 撮影は、主にニューオリンズで行われた。 この映画は、枯葉の積もった森の中に黒い帽子とコートのギャングが立っているという絵画的イメージからスタートしたらしいです。 また、全編が暗緑色と茶色を多用した晩秋の森のイメージでカラー・デザインされています。 風景だけでなく、セットや衣装もそれに沿って作られていて、この辺にかなりのこだわりが見えます。 オープニングに転がる黒い帽子が登場しますが、所々でこの黒い帽子は意味ありげにクローズアップされます。 それは主人公を象徴しているようにも思えます。 |
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■製作:イーサン・コーエン ■監督:ジョエル・コーエン ■脚本:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン ■出演:ジョン・タートゥーロ、ジョン・グッドマン、ジュディ・デイヴィスほか ■時間:116分 ■製作年:1991年 |
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ハリウッドに招かれたニューヨークの劇作家が宿泊先のホテルで出会う不思議な体験を描いたブラック・コメディ。
91年のカンヌ国際映画祭で初の3冠(グランプリ/監督賞/主演男優賞)に輝いた。
ちなみに、この時の審査委員長は、ロマン・ポランスキー。
本作は、コーエン兄弟にとっては初のハリウッドでの仕事で、映画の随所にハリウッドの歴史的場所が登場する。 ジョン・タートゥーロが演じるバートン・フィンクの髪型や眼鏡は、 ハリウッドでも脚本を書いたこともある劇作家ジョージ・S・カウフマンの外見から借りている。 コーエン兄弟は、ジョン・タートゥーロを想定して脚本を執筆した。 息苦しさ、蒸し暑さなどの生理的感覚を見事に描き出した映像と音響が出色です。 古びたホテル、しつこく残響するフロントのベル、湿気で剥がれてくる壁紙、額に止まる蚊などが不快感を掻き立て、 主人公が追い込まれていく様が見て取れます。 また、ハリウッドに対してかなりの毒を吐いてます。 |
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■製作:イーサン・コーエン ■監督:ジョエル・コーエン ■脚本:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン、サム・ライミ ■出演:ティム・ロビンス、ジェニファー・ジェイソン・リーほか ■時間:111分 ■製作年:1994年 |
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陰謀によって巨大企業の社長に仕立て上げられながらも、
愛と勇気と誠実さをもって孤軍奮闘する青年がたどった奇想天外な運命を描く、ハートフルなファンタジー・ロマン。
兄弟が長年暖めていた企画が「ダイ・ハード」などの製作者ジョエル・シルバーの援助で実現、 インディペンデントで活躍してきた彼らの初のメジャー作品となった。 コーエン兄弟の作品らしくない邦題がいただけないと思う。 原題は、「The Hudsucker Proxy」(ハドサッカーの委任状)。 |
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■製作:イーサン・コーエン ■監督:ジョエル・コーエン ■脚本:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン ■出演:フランシス・マクドーマンド、スティーブ・ブショーミ、ウィリアム・H・メイシーほか ■時間:98分 ■製作年:1996年 |
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雪深いアメリカの田舎町を舞台に、ほんの手違いで単純な偽装誘拐から血生臭い殺人へと発展していく犯罪事件の顛末を描いた作品。
1987年に実際にミネソタで起こった事件をモデルにしていると言われている。
フランシス・マクドーマンドは本作で96年度アカデミー賞主演女優賞を受賞した。 また、カンヌ国際映画祭で監督賞も受賞。
私がコーエン兄弟の映画の中で一番好きな作品です。 大地を覆い隠す雪を象徴的に用い、ドツボにはまっていく人間をもの哀しい事件を通して逆説的に描いている人間讃歌。 人間っておもしろい。 |
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■製作:イーサン・コーエン ■監督:ジョエル・コーエン ■脚本:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン ■出演:ジェフ・ブリッジス、ジョン・グッドマン、ジュリアン・ムーアほか ■時間:117分 ■製作年:1998年 |
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1991年、湾岸戦争の頃のロサンゼルスでだらだらと暮らす中年男のさえない物語。
「ファーゴ」でも展開した人間の滑稽さと悲哀さがさらに追及されているが、
映像はポップでキッチュさを増している。
ジョン・グッドマンにジョン・タートゥーロ、スティーブ・ブシェーミとコーエン兄弟組の俳優が揃い、 超個性的な登場人物となって登場している。この人達を見ているだけでもおかしい。 殴られた後、空飛ぶ絨毯で飛び、ミュージカル風のダンスをしたりと、かなり映像的に遊んでいるのも見所かも。 |
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監督作以外
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■監督:フランク・ラロッジア ■出演:スティーブン・アーングリム、エリザベス・ホフマンほか ■時間:96分 ■製作年:1981年 |
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日本未公開。ジョエル・コーエンが編集助手として参加。
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■監督:サム・ライミ ■出演:ブルース・キャンベルほか ■時間:91分 ■製作年:1983年 |
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サム・ライミ監督のデビュー作。
休暇を森の廃屋で過ごそうとやってきた五人の若者に怪物が襲い掛かるという恐怖映画。
ジョエル・コーエンが編集助手として参加。
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■監督:サム・ライミ ■出演:ルイーズ・ラッサーほか ■時間:86分 ■製作年:1985年 |
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凶悪な殺し屋に命を狙われる殺人目撃者を描くコメディ。
ジョエル&イーサン・コーエンがサム・ライミと共に脚本を執筆。
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■監督:ジョン・ランディス ■出演:ダン・エンクロイド、スティーヴ・フォレストほか ■時間:102分 ■製作年:1985年 |
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ソ連の軍事基地に潜入した二人のドジなアメリカ人スパイが巻き起こす喜劇。
レーガン政権時代のスター・ウォーズ計画をからかっている。
ジョエル&イーサン・コーエンがドライブインの警備員として出演。 テリー・ギリアムもチョイ役で出ている。
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おまけ
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「ミステリー・トレイン」を始め、「イン・ザ・スープ」「レザボア・ドッグス」、
最近では、「コン・エアー」「アルマゲドン」なんかの大作にも顔を出しているスティーブ・ブシェーミは、
コーエン兄弟の映画に欠かせない存在です。
「ミラーズ・クロッシング」ではポマード頭のゲイのノミ屋、 「バートン・フィンク」では自分の名前を2度繰り返すうざったいホテルのボーイのチェット、 「未来は今」ではイラだつヒゲのバーテン、 「ファーゴ」では変な顔の誘拐犯、 「ビッグ・リボウスキ」では、仲間の話の輪に加えてもらえない元サーファー。 基本的には落ち着きがなく、変に高い声でセカセカ喋る粘着質な男。 情けないキャラで、5作品中3作品で殺されてしまいます。 結構悲惨なんだけど、悲惨になればなるほど輝きを増すように見えてくるのが、この人の不思議な所です。(笑) |
<参考文献:フィルムメーカーズ[5] コーエン兄弟> |
by Motoaki Nakashima
shima@seeds-man.com